2012/06/10

がんばってくるね

部屋で一人、仕事をしながら「今日はもうご飯食べなくていいかな」なんて
思っていた時、卒業生から電話がありました。

「思ったよりも仕事が早く終わったんですが、おかあさんはヒマですか?
そろそろ日本に帰る時期だし、一緒にごはんでもどうかなと思って。」


「急がずにゆっくり来て下さいね」
と、そんな心遣いをみせてくれるのは卒業生のラーヴォ。
彼は現在シェムリアップにある旅行会社で専属ガイドとして雇用してもらって
います。

しばらくしてからまた電話。

「パナーやサヴィーも呼んだんですけど、いいですか?」

この二人も卒業生。
彼と同じ会社でガイド、事務の仕事をしています。

久々にみんなで一緒にご飯、と思うと早く行きたくなってしまったのですが、
先日お泊まり遠足した際の写真の焼き増しが終わっていて、仕分けして
早く子どもたちに渡してあげたいこともあり、スタッフと一緒に作業していま
した。

約束の時間よりもかなり遅れて行った私を待っていたのはラーヴォとパナー。
サヴィーは?と訊くと、ちょっと出かけると言ってどこかに行ってしまったとのこと。

「どこいっちゃったんだろうね」
なんて笑いつつ、食事を始めました。

近況を語りながら、冗談も交えて楽しい時間を過ごしましたが、この間の
会話はすべて日本語です。
ラーヴォはこれまでTV番組のコーディネートも任せてもらったりして、日本の
有名な俳優さんなどの通訳経験もあります。
パナーは学生さんのボランティアツアーで農村にいって通訳をすることが多い
のですが、施設にいるときからちびっこに人気のお兄ちゃんだっただけに
村でも子どもたちから慕われているという話に納得。


息子も一緒に行っていたのですが、ひとりっこの彼はたくさんの子どもたちに
2歳のときから世話をしてもらい、今ではおにいちゃんの役割もさせてもらえる
環境にいます。

結局サヴィーはそのまま戻ってこなかったけど、それも妙な気づかいなく
「ほんとにあの子はしょうがないねえ」と、みんなで笑っていました。
まるで気ままな末っ子を笑うように。

私がカンボジアに来たばかりで、なにをどうしたらいいのか手探り状態
だった頃に育った子たち。
ゼロから家族のような関係を積み上げて行った最初の世代です。


特別なことはなにもないけど、仕事が終わって一段落したときに「あ、おかあ
さんを誘ってみよう」と自然に思ってくれたことに幸せを感じました。

子どもたちの絵を持って行って開催する絵画展のための帰国を前に
気合を入れるよい時間をもらいました。
この子たちが私を見てくれている、施設が変化していく様子を一番わかって
くれていると思うと、ものすごく元気になりました。

今度はサヴィーも一緒に(笑

私よりも貫禄のあるラーヴォ(笑 
色黒のパナーの横でなんちゃって色白な私(笑