2013/10/05

卒業生のはなし① サヴィーの巻

2000年、プノンペンから半日以上かけて車でシェムリアップに
到着した私。
車から降りたとたんに20名以上の子どもたちに囲まれて、

「おかーさん!」

と、言われました(笑

末っ子、いとこの中でも最年少、そんな環境で育った私はいつも
みんなのあとを追いかけてばかりで、小さい子と遊んであげると言う
経験があまりなく、正直なところ子どもは苦手なほうでした。

どうしよう・・・という思いの方が強かったかもしれません。

そんな私が13年も子どもたちと共に暮らし、やめることなくここまで
これたのは本当に不思議です(笑

ちょっとお休みしていましたが、また書いてみようと思います。
今度のシリーズは卒業生のことにします。

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今は旅行会社で事務の仕事や、農村にお客様を案内するという
仕事をしてるサヴィー。

社会人になって3年目です。

施設にいた時はおとなしい印象。
入って来た時は弟も一緒でしたが、弟は結婚したお姉さん宅に
引き取られて行きました。

卒業になってもなかなかやりたいことが見つからず、他の子たちが
就職を決める中でずっとうちに残っていました。

公私共にお世話になっている写真家・足立君江さんのご紹介で
カンボジアティータイムというお菓子の製造販売会社に就職させて
もらいましたが、翌年退職しました。

その際には社長さんからお電話を頂きました。
「私たちの会社でのことは今後の経験にしてもらえればいいのです。
彼は自分が旅行会社で働きたいときちんと話してくれました。
これからの活躍をお祈りしています。」

器の大きな方だと思いました。
私も小規模ながら人を雇用させてもらう立場にいますが、辞めていく
スタッフにこんな言葉をかけられるかどうか・・・。

そして今、サヴィーはピースインツアーアンコールと言う旅行会社で
社員として働かせてもらっています。

仕事も順調、会うときの表情は明るく、爛漫で裏のない性格には
いつもほっとさせられています。
9月の終わりか10月の始まりか忘れましたが、サヴィーがフェイス
ブックにこんな投稿をしていました。

(うろ覚えですが・・・)
バイバイ9月
いつも応援してくれているみなさん、ありがとう。
おはよう10月
これからもがんばります。
サヴィーの許可を得て掲載 笑
上記の写真つきで。



私が「また遊びに来てね、日本のお茶を一緒に飲みましょう。」とコメント
したら・・・




おかあさん、いつもサポートしてくださってありがとう。

いつまでもおかあさんの優しさ忘れません。

おかあさんのおかげでこの日がある。

おかあさんがいなかったら私は将来の夢を見つけない。

ありがとう、ありがとう。

私はおかあさんのためにできること1つもない。

ありがとうという言葉しか言えない。

ありがとう。これからもよろしくお願いします。





こんなコメントを返してくれました。(日本語で、ですよ)

できることは1つもない・・・なんて・・・全然そんなことない!
こんなその場で倒れてしまいそうなほどうれしい言葉をくれているん
ですもの。

私がここで前に進める原動力の1つ。
それは卒業生たちの存在です。

いつも自信がなさそうで、困ったような顔をしていたサヴィー。
人の前に出て目立とうとすることはなく、陰でコツコツと努力するタイプ。
そんなサヴィーが今では自分の気持ちを自分の言葉ではっきりと
表現できるようなったことがわかって、ほんまにほんまにうれしかったです。

一緒に暮らしていた時は厳しいことをいうときのほうが多かったと思います。
でも今になってそれが優しさだと気づいてくれたことがなによりの
喜びです。

小さい時に知らない人だらけの施設に連れてこられてどれだけ心細かった
でしょうか。
私が彼にとって支えになれていたのだとしたら、そんなに幸せなことは
ありません。






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