遺跡群のあるシェムリアップには毎年各地から大勢の観光客が
押し寄せます。
観光客と言っても外国人ばかりではなく、他州からカンボジアの
人々も国民のよりどころであるアンコールワットにやってくるのです。
私は人混みがすごく苦手なのと、遺跡に入るためには外国人は
20ドルの入場料を支払わなければならないこともあり、お正月に
遺跡周辺に行ったことはほとんどありませんでした。
今年も行く予定はなかったのですがプノンペン在住の私のお姉さん
から「バイヨンの近くでボランティアしてるから、時間があったら来てね」
と連絡をもらったので行ってきました。
普段なら車で15分もあれば到着のバイヨン遺跡までなんと2時間・・・。
この先にアンコールワットのお堀があるはずなのですが・・・ |
みたときはホッとしました。
お姉さんによると、今年の遺跡周辺のイベントにはカンボジアの高校生から
大人までものすごい数のボランティアスタッフが早朝から夜まで運営スタッフ
として関わっているとのこと。
たしかに渋滞中でゆっくり進んでいるときに車両の誘導などをしていた人
たちもみんなスタッフのユニフォームを着ていたし、その他のポイントとなる
場所でも必ずそういった人たちを見かけました。
カンボジアのお正月は年間を通じてもっとも暑いとされる酷暑期に迎えられる
ので、遺跡周辺の体感温度は日中で40度以上。
汗とほこりにまみれながら裏方に徹するカンボジアの人たちを見ていて
こんな時代になったのかと驚きました。
お姉さんがこんな話を教えてくれました。
カンボジアの人たちはまだゴミをその辺に捨ててしまうので、夕方になると
このへんはゴミが山のようになっている。
でもお客さんたちがいなくなった夕方から夜の間にゴミ収集のスタッフたちが
全部きれいにしてくれるから翌朝来るとなにも落ちてないくらいきれいになって
いるのよ。
今年の遺跡周辺でのイベントは、外国人観光客のための催しというよりも
カンボジアの地元の人たちが楽しめるようになっていたと思います。
別行動だったうちの施設の子どもたちも・・・
少数民族の文化に触れる |
体験型のイベントを楽しんできていました。
最後にはバイヨン遺跡前で消防車から大量の放水。
カンボジアの文化でもある「水かけ」の豪快バージョンで、集まった人たちは
熱狂していました。
大興奮 |
私が2000年に施設に来た頃は「ボランティア?それをすればどんな得があるんだ?」
なんて言われることも多かったのですが、今では休みを満喫したいはずである
お正月にボランティアスタッフとして参加するカンボジアの人々がいることに
感動しました。
こういったイベントに関わる多くの人たちが、今後この国の政治を担っていく
立場の人々であったことを最後に記したいと思います。
威張ってばかりで仕事をしないような人たちでは決してありません。
食事の時間もなく、一般の人たちのために早朝から夜まで汗を流して走り回って
いました。
そしてそこには心満ち足りた笑顔があふれていました。
カンボジアの人たちがカンボジアの人たちのために楽しいイベント作りを行う。
そんな光景を目の当たりにして、この国が平和で、心も豊かに、希望が持てる
未来に向かっている一面を感じた今年のお正月でした。
お姉さんから声をかけてもらわなかったら、一般の人たちの楽しいお正月を
支えるために、裏で走り回る人々の存在を知らないままだったかもしれませんね。
支えるために、裏で走り回る人々の存在を知らないままだったかもしれませんね。
普段から尊敬しているお姉さんですが、益々好きになってしまいました☆