2015/04/11

だからね、一番大変なことなんてないのです

カンボジアのお正月を間近に控えてのある日。
普段は日中ほとんど外出することのない私ですが、その日はたまたま
ちょっとした用があり出ていました。

帰ってくるとスタッフから紙袋を手渡され、「サヴィが博子さんにって持って
来ましたよ」と言われました。
部屋に戻って中を見てみると、とっても立派なマンゴー5個とお手紙。

まだちょっと青いかな
サヴィはこのブログでも何度か書いていますが、うちの施設の卒業生。
日本語スピーチコンテストでも入賞経験があり、今は日本語ガイドをしています。

うれしいなあ、ありがとう、サヴィ
日本語で書いてくれたお手紙。
サヴィの心がぎゅっと詰まったお手紙です。



私は日本でもカンボジアでも、スナーダイ・クマエについてお話しする機会が色々と
あります。
そしてその際によく聞かれる質問の一つが
「これまでやってきて一番大変だったことはなんですか?」
というものです。

本当によく聞かれます。

でも私、この質問がとても苦手なのです。

一番大変だったことが思い出せないから。
 
 
 
 
15年子どもたちと関わってきて、卒業生や今いる子どもたちと日々の関わりを
紡いでいく中で、今回のようなお手紙を1つ受け取ることでさらなる幸福感に
包まれます。
 
みんなとの関わりがこれからどのように成熟していくのか今ははっきりと見えない。
サヴィが幼かった頃、こんなお手紙をくれるいつかが来るなんて思ってもなかった。
 
 
同じような経験を細かく繰り返してきたことで、いわゆる『大変』と言われるような
出来事の渦中にいるときですら、この今の時がいつか違った見方ができる日に
変わるかもしれないと思えるんです。
 
だからね、大変なことって思わないのかもしれない。
 
サヴィのお手紙を受け取ったことで、今目の前にいる子どもたちにどうやって
接していけばいいのか、自分の中の核となるものをさらに強くしてもらえた
ように思います。
 
 
サヴィは『新しい人生を作ってくれてありがとう』って書いてくれていますが、
私もサヴィから『新しい物事のとらえ方』を教えてもらっています。
 
のんびりしている私には、10年後とか15年後に思いを馳せて今を生きることが
あっているんだろうな。
 
これからの5年、10年が楽しみです
 
私たちの物語はこれからもずっと続いていくのです。